シロアリ被害を軽減させるにはシロアリが嫌う木を使うことが有効?シロアリがつきにくい木とは

木のぬくもりが魅力の木造建築やウッドデッキですが、中には「シロアリの被害が怖くて木造建築にするのが不安」とおっしゃられる方もいらっしゃいます。

薬剤を使って予防できるとはいえ、さらにシロアリ対策を強化できる方法があるなら選びたいものです。

今回はシロアリ被害を抑える為にシロアリが好む木や逆に嫌う木があるのかをお話しします。
シロアリの食害しにくい木材を使うことで、シロアリ被害に遭う確立を少しでも軽減させましょう!

シロアリが嫌う木材の特徴

シロアリが嫌う木材の特徴

木材を餌とし、住宅に使われる木材も食べてしまうシロアリですが、シロアリにも苦手な種類の木材が存在します。
シロアリが食害しにくいと言われる木材には共通の特徴があります。

  • ・硬い木である
  • ・心材部分の木材
  • ・広葉樹である

上記3点はシロアリが食害しにくいと言われる木材の特徴です。
以下でもう少し詳しく解説していきます!

硬い木である

シロアリは硬い木よりも柔らかい木を好む性質を持ちます。
柔らかい木は食べやすいのでシロアリも餌として選ぶのは柔らかい木です。
目が詰まった硬い木材は食べにくいので、あまり好みません。

シロアリ被害に注意するべき木材は、マツ材・モミ材・SPF材・ホワイトウッドなど。
アカマツ・クロマツといった木はシロアリが好む代表的な種類です。

逆にシロアリが避ける木材はスダジイ・タブノキなど硬い樹種ですので、シロアリ被害が気になる方はこれらの広葉樹の木材を選びましょう。

心材部分の木材

木材は「心材」と「辺材」に分けられます。
木を切ったときに中央に近い部分を心材と言い、外側に近い部分を辺材と言います。
心材は腐敗にも強く、硬い性質を持ち、辺材は心材と比べると柔らかい特徴があり、先ほどお話しした通りシロアリが好む木材は柔らかい木材ですから辺材部分を好んで食べます。

心材は硬く丈夫な特徴から、家屋の柱や構造部分を中心に使われ、辺材は壁・床・天井など目に見える部分、建物の内・外装や表面材料にあたる仕上げ材に使われています。
柔らかい特徴から辺材はシロアリ被害に遭いやすい木材といえます。

また「早材」が好まれやすく「晩材」は避けるとも言われています。
早材は年輪でいうと薄い色の部分で晩材は年輪の線に当たる色の濃い部分のことで、早材は柔らかく晩材は硬い特徴があります。
食害を起こすシロアリは、柔らかい早材を中心に食べ、晩材は残して食害を進行します。

広葉樹である

こちらも軽く上述しましたが、一般的にシロアリは広葉樹を嫌い針葉樹を好む傾向があるといわれています。
ただし、針葉樹の中にもシロアリ被害を受けにくい耐蟻性が期待できる種類もあるので、完全に「針葉樹は被害に遭う」とまでは言いきれません。心材であれば更に被害を受けにくくなるので、針葉樹の木材を選びたい場合は耐蟻性が期待できる針葉樹で心材を選ぶと安心です。

シロアリが嫌う樹種

シロアリが嫌う樹種

シロアリが嫌う木材の特徴は分かりました。
今度はどんな樹種を嫌う傾向にあるのか、具体的な名前を挙げてご紹介します。

ヒバ

腐食しにくく、建物の建材として多く使われるヒバには、「ヒノキチオール」と呼ばれる防虫成分が含まれ、シロアリの被害を防ぐ効果が期待できます。
ヒバの中でも海外産より国内産で中でも青森産のヒバはヒノキチオールの含有量が豊富です。
ヒバにはホルムアルデヒドを分解・除去する働きもあり、シックハウス症候群を抑える効果も期待できます。

ローズウッド

他の木材と比べると硬い性質が特徴的なローズウッド。
何度か前述している通り、シロアリは柔らかい木材を好みますから、ローズウッドはシロアリの食害の進行を避ける、または遅くする効果が期待できます。
少し赤みのある色合いで家具はもちろん建築建材としても多くの方に愛されています。

ローズウッドにはシロアリを寄り付かせない効果がある、テルペン類の香り成分も含まれていて、ヒノキ・スギと比べても高い防虫効果を発揮します。

スギ

日本の住宅建材に非常に多く使われているスギも、前述した樹種と同じく防虫効果が高い特徴を持ちます。
スギは住宅建材へと加工される際に高温乾燥を施されます。
この時に本来あるはずの防虫成分が失われてしまうことがあり、シロアリ対策の効果が期待できない建材も多くありますので注意が必要です。

また、春から夏にかけて育つ目幅の大きな部分である春材部分は柔らかいため、逆にシロアリに好まれる木材でもあります。

ヒノキ

ヒノキにはシロアリが苦手とする「ヒノキチオール」や「αカジノール」といったテルペン類の成分が含まれています。
同じヒノキでも産地によってシロアリ対策の効果に違いがみられます。
シロアリ対策に効果的と言われるのは、北部産・福島産・長野産のヒノキです。
これは高温多湿になりにくい気温で育つことが関係しており、北に位置するヒノキであるほど耐蟻性が高いことが分かっています。

しかし上記の地域産のヒノキでも、春材のヒノキは柔らかく、シロアリが好む木質とですから、シロアリ対策の木材として選ぶなら硬い秋材を選ぶのがお勧めです。

チーク

非常に硬く、頑丈な性質を持つチークもシロアリから嫌がられる木材の一つです。
湿気を防ぎ耐水性も高いことから、シロアリの好む湿気の多い環境を避けられる特性もあります。
チークは美しい木目や色合いが好まれており、建材だけでなく家具にもふんだんに使われる
世界三大銘木の一つでもあります。

多くの人々から愛されたことから大量伐採された過去があり、近年では流通が非常に少なくなり、高価な建材でもあります。

シロアリが嫌う植物

シロアリが嫌う植物

シロアリは樹種だけでなく植物にも好き嫌いがあります。
植物の種類によってはシロアリが嫌う香りを放つ植物があり、それらの植物を敷地内に置くとシロアリを寄せ付けない効果が期待できます。
家庭菜園・庭木として自分達で育てられるものをご紹介します。

ハッカ

ハッカ油や虫よけにも使われるハッカが発する「メントール」という香り成分は、シロアリだけでなくさまざまな昆虫が嫌う香りです。
シロアリに対しても、虫を寄せ付けないようにする忌避効果を発揮します。
ハッカは繁殖力が強く、種や苗から素人でも比較的楽に育てられる植物です。

ハッカはミントの一種ですがミントの中でもメントールの含有量が多いのはハッカなので、シロアリ対策に適切です。
家庭で育てるときは庭の土壌に直接植えるのではなく、植木鉢に種や苗を植えて育てる方法がいいでしょう。

シナモン

お菓子や料理に使われるシナモンの香りには、「オイゲノール」や「シナムアルデヒド」という防虫成分が含まれ、シロアリ対策に効果があります。
日本で発売されているシロアリ用の忌避・殺虫スプレーには、シナモンを配合した物も販売され活用されています。

シナモンも自宅で育てることが出来ます。
クスノキ科の植物であるシナモンは、鉢植えで観葉植物として育てます。
日当たり・風通しのよい環境を好みますが、真夏の直射日光は葉焼けの原因となりますので注意が必要です。

植物を置くことでの注意点

シロアリ対策のつもりで置いたものの、シロアリ以外の虫を寄せ付けてしまう原因になってしまうこともあります。
例えばシナモンは、シロアリ対策にはなるものの、コバエ・カイガラムシ・アブラムシ・ハダニなどの害虫を呼び寄せることも。

また、ハッカは繁殖力が強いことから、もし庭の土壌に地植えしてしまうと他の植物へ影響を及ぼす場合もあります。
鉢植えを多く置きすぎることで逆に湿気を呼び、鉢植え内をシロアリの巣にされることも考えられます。
日当たりのいい場所を選び、数を増やし過ぎないようにすることが大切です。

シロアリ対策に絶対はない

シロアリ対策に絶対はない

シロアリの嫌う木や植物についてご紹介しましたが、実のところシロアリは「木材であればなんでも食害する可能性がある」と言えます。
シロアリの好む木材と比べると苦手、というくらいで絶対に食害しない木材というものはシロアリ対策の薬剤を浸み込ませた木材以外では難しいでしょう。
例え全ての建材をシロアリが苦手な樹種にした家でも、シロアリ予防を全くしていなければシロアリ被害には遭ってしまうのです。

シロアリ対策を考えている、依頼したい業者を探しているという方は「シロアリの緊急駆除センター」へお電話ください。

シロアリの緊急駆除センターは、マンション・アパート・戸建て・店舗問わず、シロアリへの深い知識と確かな技術力でシロアリ対策を行います。

またシロアリの緊急駆除センターの料金設定は、現地調査・出張費用・建物養生(必要な場合のみ)・薬剤確保・木部処理・土壌処理の全てを含めた金額となっていますので、相場をご存じない方にとっても分かりやすく安心です。

状況やご希望に合わせたご提案も行っております。
見積もりは無料ですから、お気軽にご相談ください。