シロアリ被害に遭っているかのチェック項目の一つに「家の中で木くずを見つけた」というものがあります。
これはシロアリが木材を食べると木くずを落とすことから、シロアリ被害のチェック項目に加えられています。
では木くずが家の中にあったら、必ずシロアリによるものなのでしょうか?
今回は家の中に木くずを見つけたら確認すること、そしてシロアリ以外による可能性についてもお話しします。
「家の中で木くずがあった!」と焦らず、まずはどんな状態の木くずか確認して、こちらの記事も参考にしてみてください。
シロアリ以外にも木くずを出す虫がいる
実は木くずを出すのはシロアリに限らず、他の虫でも木くずを出す原因を作ることがあります。
家の中で木くずを発見したら、シロアリだけでなく「キクイムシ(木食い虫)」・「シンクイムシ」・「ナガシンクイムシ」・「クロアリ」といった害虫によるものである可能性もあります。
木くずの状態や色でもどの虫によるものが判断できる場合がありますので、順番に説明していきます。
シロアリの場合
木くずを出したのがシロアリであった場合、木くずの状態は「砂粒のような状態」であることが多いです。
木くずのように見えるものは、実はシロアリの糞です。
柱・壁に使われている木材を食べることから、糞の形状が木くずとよく似ていて見間違えてしまいます。
シロアリの中でもアメリカカンザイシロアリをはじめとした乾材シロアリが原因であることが多く、1mmほどのサイズで指で潰そうとしても硬く、黒っぽい色やベージュのような色であることが多いです。
もし家の中の木材に1mmから2mmほどの穴が開いていたらシロアリの可能性が高くなります。
この穴は「蹴り出し穴」と呼ばれ、ここから糞を落とします。
- 1.黒やベージュ色である
- 2.俵状で硬くつぶれない
- 3.室内の木材に画鋲の穴程度の穴が開いている
上記3点がシロアリによる被害か見極めるポイントです。
キクイムシの場合
きな粉のような粉状の木くずの場合、キクイムシによるものかもしれません。
ケヤキ・ナラ・カシ・タケ・キリといった木材を餌とする虫で、タンス・本棚・柱・床・天井に使われる木材がターゲットとなります。
キクイムシの幼虫は木材の中で約10カ月かけて成長し、成虫となり外へ出る時に木材に約1mmから2mmの穴を開け、木くずと糞を出します。
穴が開いて木くずを見つけた時点で、その場所から飛び立っていることが多いでしょう。
シロアリと違い、住宅の基礎部分に使われる針葉樹は餌にしないため、住宅への被害はありませんが、あらゆる木材を餌にするため「家屋害虫」とも呼ばれています。
- 1.木材の色できな粉のような細かい木くず
- 2.木くずが落ちている付近の木材に1mmから2mmの穴が開いている
- 3.木材に複数の穴が開いている
上記3点がキクイムシによる被害かどうかの見極めポイントです。
ナガシンクイムシの場合
キクイムシと同じく粉状の木くずでシロアリやキクイムシと比べると大きめの糞が落ちていたらナガシンクイムシによるものかもしれません。
ナガシンクイムシの場合は2.5mmから4mmの穴を開けます。
「シンクイムシ(芯食い虫)」という名前の通り、木材の中に入り食害します。
中でも竹材やラワン材が多く、卵を木材の中に産み木材を食べた時に木くずを発生させます。
調度品・日用品はもちろん、特にラタン製品が好物で、木材の中を食べボロボロにする被害をもたらします。
また、こまい竹が使われる土壁も食べてしまいます。
- 1.木材の色で粉状の木くず
- 2.木くずが落ちている付近の木材に2,5mmから4mmの穴が開いている
- 3.竹材やラワン材の家具や調度品に穴が開いている
上記3点がナガシンクイムシによる被害かの見極めポイントです。
黒アリの場合
木くずが出ている場所が柱や壁の隙間である場合、黒アリが原因かもしれません。
黒アリはシロアリとは違い、木材を食べることはありませんが、壁の亀裂・隙間に巣を作る時は黒アリにとっての不要物となる土・エサのカス・昆虫の死骸・欠片などを外に出すことがあり、これが木くずに見えることもあります。
キッチンの床下・窓枠・雨で湿った壁の内側などにも巣を作ります。
黒アリは人間の食材に群がったり、人・ペットに噛みつくこともあるので、注意が必要です。
- 1.茶色や黒で木くずのように見えても良く見ると土や昆虫のかけらなどがある
- 2.木くずが落ちている付近に壁や木材の隙間がある
上記2点が黒アリによる被害かを見極めるポイントです。
虫による被害ではない場合
壁付近に白い粉がある、天井から白い粉だけが降ってくるという場合は虫以外が原因かもしれません。
壁の内側の石膏ボードが振動で揺れた時に擦れて粉が出ることがあるのですが、それが壁や天井の隙間から出てきたことが原因です。
擦れる部分がなくなったら粉は出てこなくなるので、そのまま放置しておいても問題ありません。
虫が原因となる場合は、多くの場合木材が含まれます。
白い粉だけが出てくるというケースは殆どありません。
白い粉だけが落ちている場合は、虫による被害ではないと考えていいでしょう。
木くずを出す虫への対策方法
シロアリ以外にも木くずを出す虫がいることが分かりました。
住宅の基礎に直接の被害を与えるのはシロアリのみだとも分かりましたが、家具や室内の壁・床に被害が及ぶのも避けたいですよね。
シロアリをはじめとした木くずを出す虫への対策をご紹介します。
シロアリの対策方法
木くずを出しているのがシロアリの場合、何もせずすぐにシロアリ専門の駆除業者へ駆除を依頼してください。
「これくらいなら自分で駆除できるかも」と薬剤を撒いてしまうと、更に被害が悪化してしまうことがあります。
というのも、目視できるシロアリに薬剤を撒いた時に逃げ出すシロアリもいるでしょう。
逃げ出したシロアリの行先は、家屋の内部や薬剤がついていない別の木材となります。
特に木くずを出すアメリカカンザイシロアリをはじめとした乾材シロアリは、木材の中に小さな巣を点在させる習性があり、素人では完全駆除が難しいと言われます。
シロアリには手出しせず、木くずや木くず付近の柱など被害箇所を見つけて写真を撮り、把握しておくことで、業者へ依頼した際にスムーズな駆除が行えます。
キクイムシの対策方法
一つの木材に何匹ものキクイムシが存在する可能性があるため、被害にあった木材部分の種類を変えてしまうのが一番手っ取り早い対策となります。
開いた穴一つ一つに殺虫剤を注入して退治することもできなくはありませんが、見つけられていない箇所に残っている可能性もあり、あまり効果が期待できず、新たな木くずを見つける度に駆除業者を呼ぶのも現実的ではありません。
また業者によっては、キクイムシには対応できず断られてしまうこともあります。
キクイムシは広葉樹の木材を好み、針葉樹の木材は食べません。
この性質を活かし、リフォーム業者に針葉樹の木材に交換できるか相談してみましょう。
ナガシンクイムシの対策方法
ナガシンクイムシは駆除するのが難しい害虫でもあります。
被害箇所の周辺や被害箇所に薬剤を注入して被害拡大を防ぐ以外に方法はありません。
また、こまい竹が使われる土壁から被害が出ている場合、駆除は非常に困難となります。
駆除業者によっては対応していないところも多いようです。
黒アリの対策方法
黒アリによる被害の場合、家の中に忌避剤を置くのがおすすめです。
大量に出てくる場合は、毒餌の設置もいいでしょう。
黒アリの種類によっても好みが異なるので、いくつか別の種類の毒餌を用意し、被害箇所付近に置くと効果が得られます。
黒アリが家にいる場合、シロアリも家に侵入しているかもしれません。
というのも、黒アリはシロアリを捕食するのでシロアリにとって黒アリは天敵となります。
黒アリ駆除を依頼する場合は、黒アリとシロアリの両方に対応できる業者を選ぶとスムーズです。
家の中で木くずを見つけてもシロアリとは限らない
家の中に木くずがあるとシロアリを疑いますが、状態によってはシロアリによる被害では無いかもしれません。
木くずの色や状態を確認し、専門業者へ説明する際に一緒に伝えるのをお忘れなく。
また、下手に手出しをしない方が良いこともあるので、木くずを見つけたら「木くずの状態の確認」「被害箇所の把握」「写真などで記録」に留め、自分で駆除はしないようにしましょう。
「室内で木くずを見つけて困っている」という方がいらっしゃいましたら「シロアリの緊急駆除センター」へお電話ください。
シロアリの緊急駆除センターは、10年以上続くシロアリ駆除業者ですので、安心・信頼できる確かな技術で施工します。
現場調査・出張費用・必要な場合の建物養生・薬剤確保・木部処理・土壌処理を全て含めた価格設定で明朗会計ですので安心です。
もしご不明な点があれば、お気軽にお声掛けください、丁寧に分かりやすくご説明いたします。
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