シロアリ駆除業者の点検後に「床下調湿剤・床下換気扇が必要です」と言われたことはありませんか?
床下の湿気対策に必要とされる床下調湿剤や床下換気扇は、他の場所と比べると床下はどうしても湿気の多い場所となるので、状況次第では必要となることもあるのですが、業者によっては不必要な家にもセールスすることもあります。
そのせいか床下の湿気対策に必要なアイテムのセールストークをするかしないかで、いわゆる悪徳業者かどうかの判断材料になることもしばしば。
とはいえ本当に床下調湿剤・床下換気扇が必要な環境もあります。
今回はどんな環境の建物だと床下調湿剤・床下換気扇が必要となるのか、また床下の湿気対策にはどのような方法があるのかもお話しします。
「3点セット」をむやみに勧める業者は悪徳業者かも?
冒頭でもお話ししましたが、床下の湿気対策が必須な家屋ではないのにも関わらず、床下調湿剤や床下換気扇をセールスする業者が存在します。
このような業者で顕著なのは、業界で「3点セット」と呼ばれる「白蟻防除工事(カビ処理が加わる場合もある)」・「床下換気扇」・「床下調湿材」をどんな環境の家屋にも一律勧めて来ることです。
床下はもともと湿気のある場所です。
湿気対策が必要となる環境下にある家屋以外では、特に必要のないアイテムだと知っておくことが大切です。
もし勧められた場合は、何が原因で湿気がたまりやすくなっているのかなど説明を聞き、納得した上で対策を依頼しましょう。
床下の湿気対策が必要な家と不必要な家とは
殆どの家屋には特別な床下の湿気対策は必要がないのは分かりましたが、では床下の湿気対策が本当に必要な環境とは、どういった状態の建物なのでしょうか?
床下の湿気対策が必要となる環境は
- ・通気性が悪い
- ・土地の性質
- ・床下に水が入り込みやすい
- ・地下水位が高い
- ・床下空間の高さが足りない
- ・増築している
- ・住宅の密集地
などが挙げられます。
例えば、家屋の基礎にある換気口を塞ぐように物が置いてあると、床下への風通しが悪くなってしまうことから湿気もたまりやすくなります。
他には家屋が建っている土地が周囲の土地より低いと、雨水が流れ込みやすくなる、ということも考えられるでしょう。
元は田んぼや湿地帯だったなら、土壌に含まれている水分が高いので、床下に湿気がたまりやすくなります。
その他の理由も風通しの悪さが原因で、床下に湿気がたまりやすくなる環境だと言えます。
上述したような条件下の家屋であり尚且つ、以下のような現象に悩まされていないなら、そこまで床下の湿気対策に神経質になることはありません。
- ・押入れにカビが生えてしまう
- ・畳にカビが生える
- ・良くダニに刺される
- ・畳の表面がなんとなくジトジトしている
また、上記の状態も床下の湿気のみが原因とは限りません。
いくつかの業者へ点検を依頼し、口をそろえて「床下の湿気対策が必要だ」というのでなければそこまで気にすることはないのです。
一方、床下の湿気対策が不必要だと言える家もあります。
例えば床下部分を全てコンクリートで覆った「ベタ基礎」工法で建てられた建物は、分厚いコンクリートのおかげで床下の空間に湿気がたまりにくくなっています。
地面が土のむき出しだったり、床下を覆っているコンクリートが薄い「布基礎」と比べると、土壌から蒸発した水分が建物に伝わりにくい構造なのです。
とはいえ、夏場や梅雨の時期はベタ基礎工法であっても、床下の湿度が上昇しますし、築10年以上経過した建物の床下部分にある木材には、カビが発生していることもありますので、湿気対策が必要となってきます。
余談ですが、近年の住宅は気密性と断熱性が高いことから、年中快適に過ごせる利点がありますが、家の中に湿気が溜まりやすい傾向にあります。
湿気対策を怠るとどうなる?
床下の湿気対策が必要な家なのに、湿気対策を怠るとどうなってしまうのでしょうか?
具体的には
- ・木材の腐食
- ・カビの発生
- ・シロアリをはじめとした害虫が発生する
- ・家の寿命に影響が出る
このような被害が考えられます。
もう少し詳しく解説していきます。
木材の腐食
床下に湿気が溜まってしまうと、木材を腐食させる「腐朽菌」が発生することがあります。
腐朽菌は木材に含まれる「リグニン」や「セルロース」を分解して劣化させてしまいます。
温度が20度から30度であること、湿度が85%以上であること、木材に含まれる水分量が25%以上であることが条件で繁殖します。
腐朽菌を放置すると、カビも発生したり木材の劣化から家の耐震性が低くなったりすることもあるので、湿気対策が必要となります。
カビの発生
床下のように高温多湿の環境はカビにとって好都合。腐朽菌と同じくカビも湿度の高い場所で発生します。
湿度80%以上だと繁殖しやすいと言われますが、木材の表面に付いた水分を使って繁殖していきます。
カビは悪臭だけでなくアレルギーの原因にもなるので、放置するとその家に住む住人の健康面に悪影響を及ぼしかねません。
シロアリをはじめとした害虫が発生する
シロアリは湿気を帯びた木材を好物としており、高温多湿の環境を好みます。
対策が必要な床下の湿気を放置すると、シロアリだけでなく、ダニ・ゴキブリなどの害虫も発生します。
中でもシロアリはに留めに付きにくい木材の中で過ごすので、気が付かないうちに被害が拡大していることも珍しくありません。
シロアリに木材を食害されると、木材の中がスカスカになり、木材の腐食と同じように耐震性が低くなり、酷い時は倒壊に繋がります。
家の寿命に影響が出る
床下に湿気が溜まりやすい環境にある家屋なのに、湿気対策を行っていないと上述したような被害が起こる可能性が高まります。
木材の腐食やシロアリの食害は家の耐震性を低下させますし、カビの発生により快適に生活できなくなってしまう恐れもあります。
また、壁・床の断熱材が湿気てしまうと断熱効果が薄れてしまうことも。
最悪の場合、震災時の倒壊に繋がる恐れもあるのです。
床下の湿気対策の方法
家屋のある環境によっては床下の湿気対策が必要なことが分かりました。
では、実際にどのような方法で床下の湿気対策をするのかをご紹介します。
床下換気扇を利用
床下に滞留した湿った空気を排出しつつ、外気を取り込むことで床下の湿度を下げる「床下換気扇」を使って換気する方法です。
大手家電メーカーから専門メーカーまで、サイズもさまざまな床下換気扇が発売されています。
どの床下換気扇もモーターでファンを回して、空気を強制的に動かします。
必要となる床下換気扇の台数は家の大きさにもよるものの、30坪程度の一般的な床下の家であれば、種類によっても異なりますが2台から4台ほどとなります。
費用は取り付け工事費込みで大体十万円台から高くても30万円ほどですから、これよりも高額を請求される場合は注意が必要です。
また、中には基礎の外周部にぐるりと10台ほど設置する業者もいますが、風の流れを作り空気の入れ替えを目的としている訳ですから、すべてを囲ってしまうと逆効果です。
床下換気扇が正しく設置され、効果を発揮し始めると畳や押入れに生えたカビが分かりやすくなくなっていきます。
床下防湿シートを敷く
床下防湿シートとは床下に敷いて、土壌から上がってくる湿気を防止するためのシートです。
床下がコンクリートでおおわれている場合、コンクリートの下に床下防湿シートが敷かれています。
さまざまな厚さ・素材がありますが、一般的なのは厚さ0.1mm〜0.2mmで素材はポリエチレン・EVA樹脂のものです。
土壌からの湿気対策には効果を発揮しますが、床下全体に施工する必要があるので、結果費用が割高になることも。
建物の構造上、施工が難しい場合もあります。
床下調湿材で湿気を調整
床下調湿材とは、湿度が高い時に湿気を吸収し、逆に乾燥しているときには吸収した湿気を排出するアイテムです。
シリカゲルをはじめとした乾燥剤とは異なり、吸放湿を繰り返し行うので、半永久的に効果が期待できます。
多くの場合、床下換気扇を使うのであれば床下調湿材は不必要ですし、床下調湿材を使うのであれば床下換気扇は必要ありません。
テクノガード工法
樹脂を使い防湿皮膜を形成する工法で、防蟻剤がが含まれているので防蟻にも効果が期待できます。
使われる樹脂は水性アクリル樹脂が一般的。
土壌からの湿気は抑えてシロアリの侵入も防げるので一石二鳥の処理ともいえます。
床下の湿気対策が必要な家かしっかり点検しよう!
全ての建物に床下の湿気対策が必要だとは言えませんが、湿気対策を怠ると家の寿命を縮めるだけでなく、倒壊してしまう恐れもあります。
適切な対処法をしっかりと見極めて、適切な業者へ依頼することが大切です。
「住んでいる家に湿気対策が必要か知りたい」という方は、「シロアリの緊急駆除センター」へご相談ください。
シロアリの緊急駆除センターは、専門知識と経験が豊富なスタッフが、高い技術でシロアリを駆除します。
累計50,000件の実績からお住まいの家屋に必要な床下の湿気対策も適切にアドバイス!
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