木材を餌にして家屋の柱・床・壁などを食害するシロアリは、実は木材だけにとどまらず畳にも被害を与えます。
畳の他には断熱材・発泡スチロール・コンクリートもシロアリは餌にしてしまいます。
畳が置かれた和室は、意外にもシロアリによる被害が見つかることが多い場所でもあり、注意が必要です。
今回はどんな状態の畳がシロアリ被害を遭っているサインなのか、シロアリ被害が畳まで及んでしまうのはなぜか、また畳へのシロアリ被害が見つかった場合、どのように対処すればいいのかなどをお話しします。
畳を食害された場合の修繕費用も合わせてご紹介しますので、是非参考にしてみてください。
シロアリ被害は畳も例外ではない
シロアリと聞くと床下の木材や家屋の柱などを餌として食べて被害を及ぼすイメージですが、シロアリは木材に留まらず畳にも被害を与えます。
和室にある畳の表面は問題が無いように見えても、裏返してみるとシロアリによる食害が見つかり、ボロボロになっていたということも珍しくありません。
シロアリが畳を食害する理由を以下で紹介していきます。
畳には湿気が溜まりやすい
シロアリは湿気を含んだ木材を好んで食べますが、木材だけでなく紙なども餌にします。
畳に使われる、い草・稲わらも例外ではなく、シロアリは餌にしてしまいます。
い草を編み込んで作る畳には適度な湿気が含まれ、シロアリが生息しやすい環境です。
シロアリは木材の中から食害していく性質がありますので、もし和室の畳からシロアリが1匹出てきたら、畳の中には多くのシロアリが潜んでいる可能性もあります。
床下の次に食害されやすい畳
日本でのシロアリ被害の約9割はヤマトシロアリとイエシロアリによるものです。
ヤマトシロアリとイエシロアリは土壌から掴下を伝って家屋に侵入してくることが多く、床下にある木材を食べてしまうと行動範囲を広げ、ターゲットを畳の下板や畳に移してきます。
畳が食害されている場合は、既に床下にはシロアリ被害が蔓延していると考えていいでしょう。
畳を除けて下板を確認したときに、土の塊のように見える蟻の通り道である「蟻道」や畳のくず・木くずが落ちていることも。
畳にシロアリ被害が見つかったら、必ず床下の点検も行わなくてはなりません。
10年以上経過した畳は要注意
一般的に畳を交換する目安は10年ほどと言われています。
10年以上畳を取り替えずに放置している場合は、湿気を帯びやすくなっていたり、シロアリだけでなくダニをはじめとしたほかの害虫が住みつきやすくなります。
使用期間が長くなるほど衛生的に保つのが難しくなりますので、畳のメンテナンスは定期的に行うことが大切です。
畳の張替えを行う場合は、シロアリ駆除の業者ではなく、畳の張替え専門の業者へ依頼しましょう。
シロアリ被害に遭っている畳とは
シロアリは食害する時、餌となるものの中に潜んで、被害を広げていく性質があります。
そのため被害が拡大するまで気が付きにくく、家の中や敷地内でシロアリの存在を目にした時は、思わぬ規模でのシロアリ被害となっていることもあります。
シロアリに食害された畳にはいくつか特徴が見られますので、いくつかご紹介します。
畳の表面を踏んだ時にふかふかする
畳を踏むと柔らかく沈んだりふかふかとした感触がしたりで、新しい時の畳とは違う場合はシロアリの被害を受けているかもしれません。
畳を食害されると畳の中がスカスカになって空洞化しているため、このような感触になります。
い草の破片・木くずが落ちている
畳の周辺にい草のくずや破片、木くずが落ちていたら、シロアリが畳や畳の下板を食害した際の食べかすかもしれません。
また、畳の表面を撫でたり触ったりしたときに、細かいくずが出て来る場合もシロアリ被害の可能性があります。
畳がシロアリ被害に遭ってしまったら?対処方法とは
畳がシロアリ被害を受けてしまったら、どのように対応すればいいのでしょうか?
畳はもちろんシロアリ・家屋全体でどう対応すべきかをご紹介します。
シロアリ被害を受けた畳は破棄しよう
少しでもシロアリの被害を確認した畳は、出来るだけ早く破棄して新しい畳に交換しましょう。
畳の中には多くのシロアリが潜んでいる可能性が高く、交換しないまま置いておくとその畳からシロアリ被害が拡大してしまうからです。
「シロアリによる食害が僅かだからその部分だけ修正して使いたい」と思われる方も多いのですが、これは悪手です。
シロアリ被害を受けた畳のある部屋の畳は全て破棄し張り替えるのが望ましいほどです。
シロアリ被害を受けた畳は必ず早急に破棄しましょう。
シロアリ駆除を専門業者へ依頼しよう
畳の破棄を決めたら次はシロアリ駆除専門の業者へシロアリ駆除を依頼しましょう。
シロアリは一度発生したら1匹残らず全滅させないと、何度でも再発してしまいます。
直接被害を与えるシロアリの寿命は5年前後ですが、シロアリを産む女王アリの寿命は20年に及ぶこともあるほど長寿です。
必ず専門業者へ依頼し、巣ごとシロアリ駆除を行ってください。
シロアリ駆除を依頼するタイミングは、畳・床下などシロアリ被害に遭った箇所を修繕する前にします。
シロアリ駆除が行われていない状態で畳の交換やシロアリ被害箇所の修繕を行ってしまうと、せっかく交換・修繕をしたのに再びシロアリの被害に遭ってしまうことにもなりかねません。
シロアリによる被害が酷く修繕が大掛かりになる場合は、まず駆除を行いその後リフォームをし、合わせて防蟻処理を行う流れとなるため、2度に渡ってシロアリ駆除の専門業者に依頼するケースもあります。
修繕工事と畳の交換をしよう
シロアリ駆除が終わったら、床下・基礎・柱といったシロアリ被害に遭った箇所の修復工事をします。
シロアリの被害に遭った畳も、畳張替えの専門業者へ依頼して張り替えて貰います。
この時注意していただきたいのは「リフォーム業者にシロアリ被害箇所を正確に把握して貰うこと」です。
多くのシロアリ業者では、リフォーム工事は行えませんので、家屋や畳の修繕はシロアリ業者以外の各専門業者が請け負うことになります。
修繕する際にシロアリ被害箇所が性格に共有されていないと、シロアリ被害に遭った箇所全ての修繕が行えない場合も考えられます。
「シロアリ被害からの修復であること」をあらかじめ伝えておくことが大切です。
シロアリ被害に遭った畳の修繕費用の相場
シロアリ被害に遭った畳の修繕費用の相場についてご紹介します。
業者によって差はありますので、あくまでも一般的な金額となります。
畳の張替えの費用・相場
シロアリの被害を受けた畳は、畳表を傷みの少ない面に裏返す畳表替えとは異なり、新調する必要がありますので、通常利用される畳表替えとは異なり費用が高額になります。
素材の違いで費用にも差がありますが、1畳につき4,000円から35,000円程度となります。
畳を新調する場合は2日から10日ほどの日数が必要です。
シロアリ駆除・予防の費用・相場
シロアリの駆除と予防にはそれぞれ別途費用がかかります。
シロアリ駆除は「バリア工法」か「ベイト工法」から選ぶのが一般的です。
工法の違いで費用にも差があり、薬剤を散布するバリア工法だと、1平米あたり約2,000円から4,000円ほどとなります。
ベイト工法の場合は1mあたり約7,000円から9,000円が目安となっています。
シロアリには種類があり、上記の金額はヤマトシロアリに対応した費用の相場です。
イエシロアリの駆除となると上記より割高になることが多いでしょう。
修繕・リフォームの費用・相場
シロアリ被害を受けた床・基礎・柱などの修繕費用は素材や被害の状態で大きく異なります。
僅かな被害であれば数万円で済む場合もありますが、畳にまでシロアリ被害が及んでいる場合は被害が大きい可能性が高く、修繕費・リフォーム費用も高額になると考えておいても良いでしょう。
賃貸なら大家負担になるケースも
畳のシロアリ被害が賃貸で見つかった場合は大家負担で修繕できる可能性もあります。
特に入居して日が浅い場合は、シロアリの被害が見つかったら自分で手配せず、まずは大家へ連絡を取ってください。
賃貸の場合、日々の住宅のメンテナンスは大家や管理会社の義務となるためです。
もし大家に連絡せず、自分でシロアリ業者を手配したり、リフォーム会社に修繕を依頼してしまったりすると、費用が全て自分持ちになってしまうことも。
良かれと思って手配したにもかかわらず、大家・管理会社とのトラブルに発展してしまうこともあります。
賃貸でのシロアリ被害は業者に依頼する前に、必ず大家もしくは管理会社へ早急に連絡しましょう。
定期的な点検で大切な家屋を守ろう
シロアリは木材だけでなく畳を食害することもあることが分かりました。
家の中でシロアリが見つかった場合、たまたま外からシロアリが侵入した場合もありますが、多くの場合はシロアリ被害が進行していると考えられます。
被害が大きくなるほど、修繕にも数百万単位でかかってしまうことも。
定期的にシロアリ点検・予防を行っていれば、不要な費用となりますので、5年に1度はシロアリ点検・予防を行うことをお勧めします。
シロアリ駆除や点検・予防をお考えの方は「シロアリの緊急駆除センター」へご相談ください。
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